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2004/09/20

そろそろ本気出してほしい「Cmode」その2

というわけで、前回の続きです。
いつもながら長文ですみませんが、できれば「その1」から読んでくださると幸いです。



images/cmodelist
※2004年8月現在、iモード公式サイト「Club Cmode-シーモはここに!」掲載より集計
(注意!!)集計は一回しか行っていませんので、数値自体の正解さは保証できません。よって数値をそのまま引用することはご遠慮ください。また赤字部分は、なぜかページエラー表示が出て次頁が表示できず、すべての設置場所を集計できていない箇所。

●「Error404」ってどういうことよ?正確な集計はどのみち不可能
我ながら実にヒマなやつだと思うが、iモードサイト「Club Cmode」に掲載されている、都道府県別のシーモ設置箇所を逐一数えてみた。それが上記の表だ。

上記の(注意!!)でも書いたように、集計は一度きりで再チェックもしていないので、集計結果自体の正確さは保証しません。ごめんなさい。

いや、それ以前にいくつかの都道府県では、次のページを見ようとすると「Error404」なる表示が出て、ページ自体にアクセスできない!
一体いつからこういう状況になっているのかは分からないが、1年以上前に同サイトを見たときと比べてもサイト構成もほとんど変わっておらず、ざっと見た感じでも、「おサイフケータイ対応のシーモ2」に関するトピックも一切出ていない。「9月中」とされるシーモ2の登場を控えて、サイトがリニューアルされる直前なのだろうか?
言っちゃ悪いが、いかにも、「流行ってないので放置してます」という感じも漂っている。

上記の集計結果にある「1230ヶ所」という数字は、プレスリリースにある1700ヶ所に比べるとだいぶ少ないが、これは、前記のようにエラーが出て集計できなかった箇所もあるし、もしかすると、このサイトのデータ自体も多少古いのかもしれない。そのあたりについては、連休中でもあり、ドコモの広報に問い合わせるわけにもいかないので、とりあえずは、リリースにある「1700ヶ所」という数字をそのまま信じることとしよう。


●人口比の設置台数がもっとも多いのは「九州」
細かい数字の問題はともかく、全国の全県の設置場所をサイト上で確認してみて、いくつか特筆すべき傾向があることがわかった。

まず、明らかに、地域別に見てシーモの設置に対して熱意のある地域とそうでない地域があることだ。
もちろんシーモは都市部中心に設置されているわけだが、人口密度に比して、明らかに九州地域の設置台数が抜きん出て多いのは意外だった。
特に、福岡県と熊本県では90ヶ所以上もある!これは東京都が推定で100ヶ所チョイであるだろうことを考えると、驚くべき多さである。九州でももっとも開けていないとされる佐賀県ですら20ヶ所も設置されており、これも山梨県の2ヶ所や福井県の3ヶ所などと比べても好対照を見せている。

逆に、特に設置が少ないのは東海地方と近畿地方だ。
特に静岡県については、僕の実家がある浜松市に一台も設置されていないことには驚いた。浜松市は一応60万人都市なので決して小さい都市ではないし、現在は「浜名湖花博」なども開催されているため、来訪者も増加していると思われるのだが、こうした場所に一台も設置がないのはどうしたことだろう?

また、もっとも人口密度の高いはずの東京都内だけを見ても、一台も設置されていない市部は結構あると思われる。東京については、表にもあるように、ぬわんと「3ページ目が表示されない」という言語道断な症状が発生しているため確認することすらできなかったのだが、渋谷区に20ヶ所以上設置されているのに、新宿区はその半分ほど、港区には5ヶ所ほどしかない。
あれ?でも、そもそも港区にある六本木ヒルズでは、確かアカデミーヒルズの喫煙所でシーモを目撃した記憶が‥
うーむ。やはり、この掲載リスト自体、かなり古いデータなのではないだろうか。

どちらにせよ、集計をしている段階では「無駄な作業かな」とも思ったが、改めてこうして結果を鳥瞰してみると、一度はこうした検証作業を行って良かったと思った。
リリースにある「全国1700ヶ所」という数字だけでは読み取れない、細かい知識が得られたように思う。

蛇足ながら付け加えると、全国的に見てまんべんなく設置が多かった場所は、やはり「ドコモショップ」と「セガワールド」だった。


●ドリンク自販機は全国で約220万台もある。
さて、ここからは少しシーモから離れて、ドリンク自販機業界の現状について概観してみよう。
2000年の統計によると、全国の飲料自販機の設置台数は約220万台にも上るそうだ。4年前のデータだから少し古いが、2000年から過去数年を遡っても、設置台数は明らかに急激に飽和しているため、2004年現在も220万台からそれほど増えているとは考えにくい。

また、インターネットを使って調べた限りでは、自販機の業界は現在、収益の悪化にかなり苦しんでいるようだ。
各社の良ロケーションを巡る陣取り競争も激化、反面、一台あたりの売り上げは伸び悩んでいるとのこと。さらに、最近では500mlペットボトルが人気のため、店舗数も増えているコンビニとの競争にも晒されているらしい。と同時に、ペットボトルに対応できる新しい自販機への需要も相当に高まっており、古い機種からのモデルチェンジが進んでいる最中ということだ。
いずれにせよ、自販機業界というところは、すでに飽和気味の産業であり、今後は、普通に商売をしていては大きな成長が期待できる分野ではないということだけは言えそうだ。

その中にあってコカ・コーラは、国内のドリンク自販機ではトップシェアを誇っている。リリースにもある通り、約98万台をサービスしており、シェアで言えば推定4割前後にも達するダントツだ。
とはいえ、98万台という数に比べると、現行型「シーモ」の1700台という数も、iモードFeliCa対応の「1000台」という設置予定数も、とにかくあまりにも少ない数値だと感じられるはずだ。

この程度の台数では、コカ・コーラ自販機の「シーモ化率」は、2004年度末時点でも、実に全体の0.2%程度もないということになる。これでは、どう考えても「自販機でジュース買うのはケータイで」が常識になる時代が来るとは考えにくい。

あまり根拠のない感覚的な数値だが、全国に220万台の自販機があるならば、せめてその10~20%にあたる30~50万台程度は「おサイフケータイ対応」になってくれなければ、消費者にとり、わざわざ事前に金銭をデポジットするだけの必然性が出てくるとは考えにくい。

調べたところによると、ドリンク自販機は、平均的なモデルで大体1台50万円ほどもするという。
シーモ2が一体いくらするのかわからないが、赤外線受発光部、QRコードリーダ/ライタ、FeliCaリーダ/ライタを備えた上で、カラー液晶ディスプレイ、プリンタなどのインタフェース部に加え、更にシーモ2では、在庫切れなどを営業マンの携帯にメールする機能まで備えるという。
1000台やそこらでは量産効果も上がらないだろうから、恐らく通常の自販機の倍程度、100万円内外にはなるのではないかと推察される。


●シーモはもともと「街角情報キオスク」として創られた
そう考えると、結局問題になってくるのは至極当たり前の結論で、普通の自販機の倍はするであろうシーモ2のコストに対して、「それだけの投資に見合う付加価値をサービスすることができ、償却も可能である」と、コカ・コーラが決断できるかどうかになると思う。
これっていつも当たり前の結論なんだよなぁ。

リリースによると、シーモ2では、対消費者の利便性訴求だけでなく、営業マンへに在庫状況を自動メールするなど、事業者側も効率を追求できる仕組みになっているようだが、競争が激化し、市場も飽和気味の自販機業界で、果たしてコカ・コーラが、これだけ高付加価値の商材に対して思い切った投資を決断するかどうかは疑問ではあると思う。

それでなくても、こうしたインフラ系のサービスは、かつてドコモが全てのmovaを強引にiモード付きとし、そして今はすべてのFOMAに強引にテレビ電話をつけたように、なかば強制的に標準化して行かない限りは、なかなか普及は難しいだろう。
そこまでの思い切った投資ができなければ、「シーモ2」という秀逸なベンディングマシーンは、結局は、「あだ花」に終わってしまう可能性も否定できないと思う。

意外と知られていないが、シーモはもともと、液晶モニタからプリンターまでを備え、地域に密着した「街角情報キオスク端末」となるべくして考案された自販機だ。
たとえば、各種チケット、近隣のタウンマップから占い、「おみくじ」にいたるまで、さまざまな情報をプリントアウトすることも可能であり、上手く普及して機能すれば、まさに「街角情報端末」としてさまざまな可能性があったはずだと思う。

ただし、「自販機で情報を出し入れする」という行為はある意味で、FOMAにおける「テレビ電話」やWIN端末における「EZナビウォーク」などより以上に、今までの人間の行動原理とは異なる習慣を要求するものだ。

かつてiモード生みの親である夏野剛氏は、その名著「iモードストラテジー」の中で、「人間の本性は保守的であり、行動様式を変えることは容易ではない」と語った。また、かつて僕がインタビューさせていただいたときも、同氏は「われわれには“必要性”をクリエイトすることなどはできないんですよ」と語った。
けだし名言だと感服したものだ。

シーモ2は、初代シーモのシステム的な欠陥も解消され、「普及してくれさえすれば」、間違いなくとても便利、かつ有益なサービスとなりうるものだと思う。僕自身、街角で自販機を使って情報を縦横にやりとりなどができたら、とてもエキサイティングだと思う。シーモ2を使った、あんなサービスやらこんなサービスやら、いろいろ楽しいアイデアも浮かんでくる。

しかし、人間の本性が、本当に夏野氏の言うようなものであるとするならば、その普及定着には、相当の「産みの苦しみ」が伴うであろうことも、また事実だと思うのだ。

ハッキリ言って、状況は僕が漠然と想像していたものよりも厳しいと思う。
でも、シーモ2には頑張ってほしいものだと思う。本当に。

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